日曜読書 Science Research Writing for Non-Native Speakers of English

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 修論を書いていた時期にボスに口酸っぱく言われたことは,「君の文章は文法的には正しいのだが酷く読みづらい.ちゃんと文章の書き方を日本語も英語も勉強しなさい」ということだった.いやこれは学部卒業の時期から指摘されていたけど自分があまり深刻に思ってなかった.そうこうしてたら博士課程に進学することになり,論文の数で殴り合う世界に来てしまった.博士課程ともなると文章執筆が苦手とは言ってられない.自分が筆まめでないのは古からなのだが,悪い文章を書いてることは書いてる端から認識できてしまう.結局添削してもらうにも遅筆過ぎて一層質が悪い.今現在もどんどんペンディングの原稿が溜まっている.

 というわけで論文執筆に関連しそうな本をざーっと読み漁った.有名な木下先生の「理科系の作文技術」はひたすら逆茂木型の文章構造はやめなさいということが一冊に渡って書かれていた.なるほど,日本語で文章を書くと陥りがちな構造である.ポール・J・シルヴィア氏の「できる研究者の論文生産術: How to Write a lot」は文章の書き方というよりは,どうやって論文執筆を習慣づけていくかについて重点が置かれていた.本書で記されているような習慣づけができたらなんでも上手くいくとは思うが,場当たり的な自分には到底真似できないという気分になってしまった(いや習慣づけろよ自分).

 そんな中で見つけたのがScience Research Writing for Non-Native Speakers of Englishである.本書はfor Non-Native Speakers of Englishと書いてある通り,平易な英語で非常にわかりやすく論文の構造や語彙について解説している.自分は系統的に文章の書き方を学んでいなくて,ただの猿真似だったのだと痛感させられた.系統的な知識なしに,ボスや先輩方を真似していても彼らを超えることはできない.母国語で論文を書くにあたっても本書は参考になる.学部生はTOEFLとかの勉強してる暇あったら本当にこれを読んでほしい(注1).実書籍だと検索能がなくて語彙を調べるのが難しいし,電子版の追加課金も検討したい.余談ですが,出版社勤めの友人もオススメしてました.

 英語論文執筆について古典的に有名なWilliam Strunk Jr.氏のElements of Styleにはまだ手を出せていない.某J. K.氏が著書の中で大変オススメしていたが,なかなか堅い英語なので読むのに骨が折れる.米国でキャリアを築くなら必要なのは納得である.

 

(注1)自分が文法的に合ってるけど的を射ない英文を書いてしまいがちな背景に大学受験勉強やTOEFLのせいなのは否めない.高校時分に帰って本書を読ませたい.